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「ジェノバ風」というエリチェのお菓子

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シチリア島の最西端の街トラーパニの近く、海に面して唐突として聳え立つ岩山がある。その頂上にはErice(エリチェ)という小さな街がある。古くシクリ人によって作られた山の上の街は、その後、ノルマン人によって支配された。城壁に囲まれ街の中に広がる石畳が歴史を感じさせる街だ。

エリチェには「ジェノベーゼ」、つまり「ジェノバ風」という名の銘菓がある。エリチェのドルチェなのに何故、ジェノバ風?いくつかの説があるようだが、正確な事実は定かではない。エリチェの人々は、一つのジェノベーゼのことを”ジェノベーザ”と呼び、2つ以上になると”ジェノベーゼ”、と呼んでいた。イタリア語には女性名詞と男性名詞があり、女性名詞の単数は「-a」で終わり、複数は「-e」で終わる。なので、「ジェノバ風」という形容詞として使われているのではなく、「ジェノベーザ」という名詞だったのでは?なにはともあれ、不思議なネーミングである。

ジェノベーゼは軽いサクサクとしたクッキー生地の中にカスタードクリームがタップリ。オーブンから出てきてすぐ、アツアツで食べるのが断然美味しい。

エリチェ一番のパスティッチェリアといわれる”Pasticceria Maria Grammatico(パスティッチェリア マリアグラマティコ)”には、夏になるとトラーパニから、いやシチリアから、いやイタリアから、、、いやいやヨーロッパ全土からこのジェノベーゼを求めて、長蛇の列が出来る。特に夕方から真夜中にかけて、このお店は”お菓子屋”ではなく”ジェノベーゼ屋”へと変身するのである。

■Pasticceria Maria Grammatico(パスティッチェリア マリアグラマティコ)
住所:Via Vittorio Emanuele, 14-91016 Erice (TP)
電話:0923/869390

<州・地方>シチリア州/エリチェ
by dolcemania | 2008-05-13 23:55 | シチリア州
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